nonsense magic




元々、3:1くらいの割合だったのに、買った荷物すべてがきりくんの手元にある。……付き合ってもらっている身なのに、さすがに申し訳なさすぎる……と、再び荷物を取り返そうとしても、ひょいっとかわされる。



「きりくんっ、自分で持つから……」

「いーから。ほら、次どこ」

「………あの、きりくんいっぱい歩き回って疲れたとおもうし、そこのベンチで休んで……「次どこ」


視線を避けながら背を向けようとしても、威圧感の滲んだ声と笑みに、最後の縋りを断たれてしまう。

うう、とこころのなかで唸りながら、ほそぼそと呟く。



「……夏服、みたい」


……言っちゃった、どうしよう。
面倒くさがれるかな、……だるいって言われるかな。


おそるおそる、そうっと薄目で見上げてみると、ふ、と綺麗に口端を持ち上げたきりくんが視界に映るから、拍子抜けしてしまう



「……だるくないの?」


無意識に、ぽろりと零れ落ちたセリフ。普通なら聞き逃してしまうくらいか細い声なのに、きりくんはそれをじょうずに掬い取って、ばか、と微温を纏ったような声で囁くの。




「こころ」

「……はい」

「服、おれに選ばせて」