「プラスチックメンタルあやこ、……はは、なんかジワる」
「……なら、さくはダイヤモンドメンタル」
「そんな褒めないで~なず。ふつうに照れる」
「……ほめる、?」
……噛み合ってないのは、ふたりでは?
世界でもっとも固い物質、という意味合いの''ダイヤモンド''だと思うのだけど、……違うのかな。
「ばからしー言い合いするだけなら、帰れね」
「お、桐クンお怒りモードめずらし。しゃあない、なず帰ろーか?」
「……ん」
唐突に立ち上がったふたりは、お邪魔しましたー、とゆるい挨拶を残して帰っていこうとするから、あわててひき止める。
「っあの、桜玖さんとなずなさんは、なんでここに……?」
わざわざわたしの家に訪ねてきたということは、なにか目的があったはず。
その目的は、果たせたのだろうか。
問いかければ、そーいえば言ってなかったわ、という効果音つきの目配せをするふたり。
すると、桜玖さんは裏返した手のひらを、なずなさんは視線をこちらへと持ち上げて。
「「あやこに(あんたに)会うため」」
重なったセリフ意味を問う頃には、もう、ふたりは帰ってしまっていた。



