おもわず首をかしげてしまうと、くは、と、喉を鳴らすように笑った彼。そのままわたしの手のひらをそっと掬いあげ、肌の表面を滑らせるように指先を伝わせると。
拒む隙なんてないくらい、丁寧に包まれる。
「……落ち着いた?」
「……っ、?」
「手、ずっと握りしめてただろ。……爪のアトついてる」
包まれている右手に、視線を落としてみる。
彼の言う通り、手のひらの表面が微かに赤くなり、うっすらと爪の線が残っていた。
……わたしは、自覚しているよりも、''彼''に緊張していたらしい。
そもそも、初対面のひとと会話を交わすこと自体、得意ではないのだけど。
「あ、…りがとう、ございます……?」
「お前、語尾ぜんぶハテナついてんのな」
「そう、ですか?」
「ふ、……──オジョーサン、お名前は?」
……あ、わかった。
────このひと、きりくんに、似てるんだ
「……なにしてんの、おまえら」
唐突な確信を持ったと同時、ぱたぱたと足音が近づいてくる。
冷ややかに細められた目元、……に、寄せられるシワがあまりにも不機嫌そうで、おもわず身を引いてしまう。
「(おまえら、……という、ことは、)」



