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なんとかきりくんを寝室から連れ出して遅めの朝食、……というか、昼食(?)を取っていたら。
─────ピーンポン、と、軽やかなリングオンが静かなリビングに響く
「(宅配、なにか頼んだっけ?)
すこし不思議におもいながらも、ちょっと行ってくるね、と、きりくんに目配せをして、玄関へと向かう。
……廊下を進んでいる途中で、あ、と思い出した。
そういえば、''あのひと''が夏休み中に送ってくれると言っていたものがあったな、と。
一応のため、ドアのスコープを覗いてみる───と、黒いキャップを被った男のひとが、すこし不機嫌そうに視線を横に流している姿が映るから、おもわず目を見開いてしまう。
配達員さんって、いまの時代は私服がふつう、なのだろうか。
……恥ずかしい話だけれど、わたしには自分で宅配を頼んだ経験かあまりなくて、現代の常識がわからない。
あわあわとしているうちに、もう一度、ドアを開けることを催促するように、ピンポーン、とベルが押されるから、はんぶん勢いでドアを開けてしまった。
「、あ、出てきた」
「………?、っ!」
かちっと、目の前の男のひとと視線がかち合う。
配達員さん────ではない、らしい。宅配荷物を持っている様子もない、……片手にスマホを持ち、こちらをじっと見据えている。
「おい、きこえてる?」
ひらひらと顔の前で手を振られる。
弧を描くような指の動きに視線が奪われて、自然と顔が上を向く。



