nonsense magic





「……ふ、」

「……?」

「や、100%幻滅かと」

「……しないよ、って言った」


きひくんはゆるりと目元をほどいて、お手本みたいな綺麗な笑みを浮かべる。


「……きりくん」

「なに」

「わたしも、きりくんにはふわふわ笑っててほしい」



柔かな空気を纏ったそれにつられるように、ふにゃりと頬がゆるむ。

そんなわたしに、なぜか眉を潜めたきりくんは、自分を指差しながらこてん、と首をかしげて。


「おれオトコだけど」

「…知ってるよ?」

「オトコがふわふわ笑ってたらきもいだろ」

「きもくないよ。きりくんの笑ったカオ、すごく綺麗だとおもう」


笑みを浮かべたまま、きりくんの頬に手を伸ばす─────……ほんの一瞬前


伸ばしかけた腕に力をこめる。
ぶらんと宙に浮いた自分のそれを眺めたあと、そろりと視線を上にあげた。


……こういうのが、''油断''……。