「、なにその表情」
「き、きりくんの真似……?」
「……や、急に雰囲気変えてくんのやめて」
「それ、きりくんには言われたくない……」
「こころにはふわふわ笑っててほしい」
きりくんは降参、なんて呟きながら覆い被さっていた身体をどかす。
そろりと見上げると、さっきまでの冷めたカオのきりくんから一変、くすくすと微かに口角をあげているから、表情の切り替わりがうまいなぁ……なんて、ぼうっと考えていたら。
「ナメてた、こころのこと」
「え、な、舐め……?」
「そっちじゃない。……まあ、でも、おまえもおれのことナメてたでしょ?」
「………、?」
ほんとうに意味がわからなくて、きょとんと首をかしげてみせる…と、再び手首をつかまれて、ぐっ、と前方に引き寄せられた。
そのままゆるい力で腰を引かれて、ぽすっと胸板に顔があたる。
ほんのりと甘い柔軟剤の香り、…自分のものと同じだからかな、安心する……。
無抵抗で腕のなかに収まるわたしに、きりくんは呆れ気味に、ほんと、そういうとこ……って。
「おれに油断してんね、ってこと」
甘ったるく落としこまれるセリフ、同時に、耳たぶのあたりを柔らかい熱がふれるから、……感じたことがある感触に、ばっ、と顔を俯かせた。
「ん、その反応がせーかい」
「……う、ん」
「あんま無防備だと痛い目みるよ」



