……すごく失礼なのは100も承知だけど、なんとなく、きりくんは"うそ"を吐くことが得意そうだ。
柔らかい雰囲気のきりくん、冷たいカオをしたきりくん、あまりにも彼自身の振り幅が大きいから。
うそをついてるという罪悪感も、すべてその彫刻のような綺麗な顔にかくしてしまいそう。
「あー、……なんか失礼なこと考えてるでしょ」
「っ……ぁ、」
ぴたりと言い当てられるから、おもわずちいさく声が漏れる。
きりくんのまあるい瞳に囚われると、すべてを見透かされてしまいそうだ。
「き、きりくん、」
それがとてもこわくて、この空間から逃れるように、遮るみたいに名前を呼んだ。
「朝ごはん作るから、……なにか食べたいものとかある?」
「こころの手作り?」
「……うん。簡単なものしか作れないけど」
あんまりハイスペックな料理を期待されても困るよ、と一応のために付け足しておく。
直感だけど、きりくんお育ち良さそうだし、朝食も高級なメニューばかりとか……。
「味噌汁と、ご飯とか、食いたいかも」
……がらりと考えを覆すように。きりくんから返ってきたのは、とても庶民的な朝ごはんメニュー。



