そうして散々跡をつけて、好きなように触れて、……でも全然足りなくて、絡んだ指先をほどいてなぞるように腰の曲線を辿っていれば、ぎゅうっと隠すように閉じられていた足が微かに震えて、きりくん、とやわらかに囁かれる。
「………きょう、内緒でお出かけしてごめんね」
「、」
「これからは、もう隠しごとしないよ。……勝手にいなくなったりしない、約束」
ぎゅ、と小指をよわく握られて、しっとりとした綺麗なソプラノで紡がれる約束の言葉。
どろりと湿っぽい今の雰囲気とは相反して、やわらかな淑やかさを纏うこころは、さっきまでの泣き顔が嘘のように真っ白な笑みを浮かべている。
無意識に指先を絡めとれば、ゆるんだ表情のままぎゅっとやさしく握り返してくれるから、また別の部分が簡単に満たされてしまう。
……ほんと、どこまで狂わせたら気が済むの、おまえは。
表情のコントロールは得意な方だと自負しているのに、こころには肝心なところで見破られてしまうから何の意味もない。
普段は無防備でふわふわしてるくせに、人の感情の機微には敏感で、……今みたいに"なにか"を察した時は、ただ傍にいてくれる。抱きしめて、やわらかな笑みとぬくい体温をくれる。



