「へえ、………触んのはおっけー、てこと?」
くびれをなぞる手先が、くるりと円を描くように動く。甘やかすような妖艶な手つきに、……あ、このきりくんはぜったい止まってくれないきりくんだ、と悟って、──────じわ、と目の淵に涙が溜まっていく。
「あー……今そういう表情しない方がいいよ」
………、ほんとう、趣味がわるい。
掠れ気味に呟いたセリフをじょうずに拾うと、ふ、と愉悦の滲んだ瞳で見下ろして、"あの夜"と同じ表情を浮かべる。
いじわるなのに魅惑的で、嗜虐的なのに綺麗で、咽せるほどに妖艶な笑み。
「……ね、自覚はある」
繰り返されるセリフ、あのときと同じ表情カオ、滲む温度差、────わたしだけが、変わってしまった気がして、怖くなる。
一度目は忘れられない夜、……そこに"次"を刻んでしまったら、どうなってしまうんだろう。肌を重ねる温度を知って、誰かがそばにいてくれる日々を過ごして、……ふれあう温もりを心地よく感じてしまったら。
……このひとと離れることが、苦しく、名残惜しくなる。



