nonsense magic




重力に逆らうように、必死に拒むみたいに、ぎゅっと目を瞑ろうとするのに。



「こころ」────……わたしを呼ぶあまい声の引力に、引き寄せられる。




「しぬほど触りたいんだけど、だめ?」


……結局、真正面から攻撃を受けてしまって、しっかりとダメージを食らってしまう。



声にならない声が喉の奥で弾けて、頬にじわあっと熱が溶ける。目を伏せても、じょうずに視線を絡めとるきりくんにすぐに捕まってしまって、瞳同士は至近距離で交わったまま。



「……さ、さっきから、いっぱいさわってる……」

「足んない。朝も勝手にいなくなって、起こしてくんなかったよおまえ」

「っそ、それは、」



言葉に詰まれば、それは?……って催促するような瞳で顔を顰められて、しどろもどろ。


桜玖さんからのメッセージに、『桐には内緒ね』って書いてあったし、一応ご飯のメモも残してお家を出たのに……なんて、そんな言い訳が今のきりくんには通じないことは、なんとなくわかる。



「お、お風呂いっしょに入らなくても、さわれる、……っ」


 ……あ、と。遠回しに許可を出してしまっている自分に気づいた時には、もう遅い。