「次きりくんとお出かけするときは、きりくんに選んでもらった(プレゼントしてもらった)ワンピース着たいなあって思ってたから」
ふふ、と口角をゆるませながらワンピースのレースを指でなぞっていれば、その上からぎゅっと手のひらが重ねられる。
「こころ」
「なあに?」
「手上げて。……ん、そう。バンザイ」
和んだ空気に絆されたまま、?という顔のまま両腕を上げれは、片手で両手首をまとめられる。もう片方の手でワンピースのジッパーが下されて、空気に触れた肌が粟立ったかと思えば、すり、と腰のあたりに手を這わされて。
「ぇ、……〜っ、ゃ、なにきりくっ、」
きりくんの本日2度目の奇行に目を見開くわたしに、きりくんはやわらかな笑みを深める。
綺麗に持ち上げていた口角を綺麗にゆるませたはずみに上唇の隙間から真っ白な歯が覗いて、なぜかドキリとする。
こうして向き合って、触れ合っているのに、きりくんは1ミリも表情を崩さない。……この温度差はなんだろう。
「おれからの、2個目のお願い」
………だめ、こういうきりくんは、ほんとうに、よくないのに。



