nonsense magic





────……初めてお出かけをしたあの日、きりくんが選んでくれたワンピース。試着を終えてレジに向かおうとしていたわたしを引き止めたきりくんは、なぜかお店のロゴが入った紙袋を持っていた。



袋の中で丁寧に折り畳まれたワンピースに気づいて慌てるわたしとは対に、きりくんは余裕な笑みを浮かべていた。



『彼氏からのプレゼント、ってことで』



お店を出る時も、店員さんに『とっっても素敵な彼氏さんですね〜〜!』なんてこそっと囁かれて、すごく照れてしまったのを覚えている。

 

……せめてお金は、と。どれだけお願いしても全然受け取ってもらえなくて、きりくんの寝室に(代金の入った)封筒を忍ばせてみても、目敏いきりくんにはすぐに気づかれてしまって、失敗に終わった。