「こころ、こっち」
「、?」
腕を引かれて、連れてこられたのは寝室。ベッドに腰かけたきりくんが、おいで、と隣を指でさすから、言われた通りに腰を下ろせば。
「わ、っ〜〜……?!」
重心を傾けられ、ぽすっと胸板に顔が押しあてられる。手のひらで両頬を持ち上げられて、しっかりと瞳が合わさったまま、やさしく唇を塞がれる。
ぴったりと、隙間を埋めるように唇を重ね合わせる。数秒間、どちらも口を開くこともない静かな触れ合いのあと、そっと目を開けば。
「、っ、」
……きりくん、ずっと、そんな表情?
色のない温度を映す瞳は力無く伏せられて、ふわりと揺れる睫毛がゆっくりと瞬く。ぱち、と、開かれた瞳が影むその仕草は、どこか虚な雰囲気を纏わせる。
どこか、いつものきりくんと違う。何かあったのかな、……そう思っても、伝えられたことなんてない。



