「なず、あやこ。紅茶冷めるよ?」
──────ほら、はやくおいで。
上品な雰囲気を漂わせて、優雅な仕草で紅茶を嗜む桜玖さん、……ほんとうに、英国の童話に出てくる貴族のようだ。寒色の髪から覗く隙のない眼差しは煌びやかな色を映すのに、ふ、と、不意に溶ける桜色は、柔らかくやさしい。
……やっぱり、すごく、綺麗ないろ。
「お〜い、あやこ?……ん、なに、見惚れてんの?」
「……自意識過剰。こわ」
「は?あやこの手土産残りぜんぶ食べるわ」
「、もう全部食べたから。さくの分ない」
「ずっと見てたわ。さっき目合っただろ」
──────……なずなさんは"フクロウ"、桜玖さんは、
「(桜玖さんは、"王子さま"みたい、)」
…………あのひとは、" "みたい。



