nonsense magic





「なずなさん、甘いものすき、ですよね……?」



和やかな雰囲気の余韻をすくように表情をゆるめながら問いかけたわたしに、こく、となずなさんが小さく頷く。


桜玖さんはあまり得意ではないみたいだから、なずなさんがいてくれてよかった……とひそかに胸の内でほっと安堵のため息をつきながら、ガラステーブルに立て掛けておいた紙袋を手に持つ。



「これ、よかったら……」

「……くいもの?」

「は、はい。リッセルの、焼き菓子の詰め合わせです」



ぱっ、と弾かれたように顔を上げたなずなさんは、リッセルという言葉に反応したように見えた。地元でも有名なパティースリーであるリッセルは、ケーキは勿論、テイクアウト用の焼き菓子が絶品なのだ。



……なずなさんも、リッセルすきなのかな?



しゅるり、赤いリボンの結び目に手をかけて、丁寧に包装紙を破く。折り目に沿ったとても綺麗な破き方に、なずなさん手先器用だ……とじっと箱に視線を送っていれば、食べてい?と。