ぼうっと、そんなことを考えていたから、桜玖さんの言葉に反応できたのは数秒後。
「、え?」
「…………」
「、!?」
考えるような仕草を取ったあと、ふと顔を持ち上げたなずなさん。こっちきて、と突然耳元でささめかれて、ぐいぐいと腕を持っていかれる。
半ばバランスを崩しながらも着いていけば、ガラス張りの窓の前で立ち止まって。
「……あそこらへん、アンタの家」
「、……?」
「アレはスカイツリーで、あの奥の方で霧纏ってるの、たぶん、富士山。……で、あの高いビルは—————……」
あれ、それ、……と。ひとつひとつ指で差しながら景色紹介をしてくれるなずなさんは、時折視線をこちらに流す。
反応を確かめるようなそれに、すごい、綺麗、の感情を瞳に映しながら、何度も頷くことしかできないわたしに、なずなさんがふっと口元を緩めたから、たぶん、伝わっているのだと思う。
そこで、あ、と、思い出した。



