nonsense magic




それに思わず固まってしまえば、くっと喉奥で咬み殺すように笑われて、ゆらりと持ち上げられる手のひら、と、縮められる距離。


………え、と、?


鼻の先端ががくっつくほどの、至近距離。強制的に攫われた視線が重なって、瞳がかち合う。


うっすらと赤みが溶けて、潤んでいるようにも見える瞳。影をつくるほどに長い睫毛と、あざやかな虹彩の狭間、妖しい色が波打った、—————……数秒後。 



「、する?」


あまやかすように微笑んで、ことん、と肩に顎を乗っけたら、もう片方の手は首裏に回して、項に沿うように這わされる。


手繰り寄せるように、引っついて。
不意に、——————ふわ、と、爽やかに香ったのは、あまいミドルノート。



「……さくら?」


香りにつられて顔を上げたのと、重なりそうだった影が明るんだのは、ほぼ同時だったと思う。