「……眩しいから、やめてくれる?」
窓から差すひかりを遮るように瞳をフードをで閉じ込めて、ごろんと寝転ぶように丸くなっているなずなさんは、ひどく素っ気ない声音を桜玖さんに向ける。
冷気を含んだ不機嫌を纏うなずなさんに、機嫌を損ねてしまった……と、狼狽えるのはわたしだけで、桜玖さんはそんな声聞こえてないと言わんばかりに口角を持ち上げて、ふ、と涼しげに瞳を溶かす。
……桜玖さんにとって、今のなずなさんは通常運転らしい。
「なずの前世って絶対吸血鬼だわ。ねー、あやこ」
「、えっ」
吸血鬼……って、あの、森とかに住んでいて、牙とマント、ひとを襲って、血を吸う、……だっけ?
吸血鬼について、聞いたことのある単語を頭の中で繋げてみるけど、微妙になずなさんに結びつかない。
「………?」
ハマらないピースを埋めるように、じっ、と、なずなさんを見下ろしていると、なずなさんがぼんやりとした様子で顔を上げる。そのはずみに、フードからグレーの髪が零れ落ちて——————……
「フクロウ……」
かちっと、ピースが嵌る。



