────それから先の記憶は、ひどくあやふやだ
『……あー、おれのスウェットぐっちゃぐちゃ』
『ぁ、っぅ、……っも、むり〜……っ』
『……ん、これ最後だから。ゆるして』
容赦のない熱に浮かされて、暴かれて、蹂躙される感覚。
激しいそれと裏腹に、肌を撫でる手つきはやさしくて、甘やかすみたいに丁寧で、そんな矛盾に戸惑って。
『────……て……ん、こころ』
とっくに、夜は更けていた。
それが終わったのが、何時だったのかも分からないけれど。ガラスの隙間から零れる月明かりが視界をやさしく照らしていたことは、なんとなく覚えている。
きっと、あんまり正しくない、夜の真ん中。
諭すように、ささやくように、やわらかな切なさを纏ったきりくんの声を最後に、視界が暗闇に包まれて、ぷつり、意識が途切れた。



