「口に合わなかった!? ごめんなさいっ」
ピーターの様子を見たディアンヌがトレイを下げようとすると彼は小さく首を横に振る。
そして涙をポロポロと流しながら、料理を次々に口に運んでいく。
口いっぱいに料理を詰め込んでいくピーターの頬はパンパンだ。
ディアンヌは呆然としていた。
ゴクリと喉が鳴った後に、彼は涙と鼻水で濡れた顔をあげる。
「おい、ひい……っ」
「……ピーター?」
「うわあぁぁん……!」
ピーターはスプーンを持ったまま、大きな声で泣き出してしまった。
「お母さん、ごめんなさい……っ!」
「……!」
泣き叫ぶ合間に聞こえる謝罪の言葉に、ディアンヌはパンを置いてからピーターを抱きしめる。
『お母さんに会いたい』
『お母さんを守れなくてごめんなさい』
『ボクを一緒に連れて行って』
『置いて行かないで……!』
涙を流して、絞り出すようなか細い声で紡がれる言葉。
今まで我慢したものが溢れだしたような気がした。
ピーターの悲痛な叫び声が部屋の中に響いていた。
ピーターの声からは、痛いほどの悲しみが伝わってくる。
今だけは感情を吐き出す彼の気持ちを受け止めたいと思った。
ピーターを抱きしめながら、ディアンヌもつられるように声を上げて泣いていた。
小さな小さな体を撫でながら何も言うことができない。
少しでもピーターの悲しみや痛みが和らげばいいと思わずにはいられない。



