貧乏令嬢のポジティブすぎる契約結婚〜継母としてもがんばります!〜

リュドヴィックの言葉にシャーリーは大きく目を見開いたまま動けないでいる。
ディアンヌのそばには涙目のピーターもやってきて、彼女を責め立てる。


「ディアンヌはボクを助けてくれた! それなのにお前はディアンヌに乱暴したんだっ」

「……ピーター」

「悪者め!」


ディアンヌを必死に守るように叫ぶピーターを後ろから抱きしめた。
それにはシャーリーも唇を噛んで何も言えないようだ。
そして騒ぎを聞きつけたのか、騎士たちがリュドヴィックのもとにやってくる。
彼の指示でシャーリーは拘束されて連れて行かれてしまった。
目撃者は十分すぎるほどだろう。

彼女は最後までディアンヌを睨みつけていた。
まさかシャーリーがこの場でここまで大胆に動くとは思いもしなかった。

何がシャーリーにこうさせるのか、ディアンヌにはわからない。
けれどシャーリーの中ではディアンヌを見下す立場にいたい。
上に立たなければ気が済まないのだろうと思った。
ディアンヌに執着しなければ、幸せに生きられる道もあったはずだ。

ディアンヌがテラスから会場に戻ると、カシス伯爵と伯爵夫人かシャーリーを必死に追いかけているのが見えた。
ピーターにお礼を告げつつも、今更になって恐怖が襲ってきてしまう。
シャーリーと二人きりになる選択を後悔していた。

(リュドヴィック様が、すぐに止めてくださったから助かったけど……)

リュドヴィックはピーターとディアンヌを包み込むように抱きしめてくれた。
ディアンヌも抱きしめ返すように力を込めた。