貧乏令嬢のポジティブすぎる契約結婚〜継母としてもがんばります!〜


すぐに本性を出してきたシャーリーには笑ってしまう。
ディアンヌはシャーリーの本音を聞いて、ため息を吐き出す。

(やっぱり誤解を解きたいなんて嘘だったのね)

やはりお茶会の誘いも、ディアンヌを失脚させるためのものだったのだろう。


「それを言うためだけに、わざわざここに呼び出したのですか?」

「……」

「もうよろしいでしょうか?」


ディアンヌが平然とそう言うとシャーリーの顔が大きく歪む。
しかしリュドヴィックたちの視線があるからか、掴みかかるようなことはなかった。

(わたしに文句を言うだけだったら、もう聞く価値はないわ。時間がもったいないもの)

やはり彼女とは決別して、もう二度と関わらないようにしようと思っていた。
ディアンヌが立ち去ろうとすると、出口を塞ぐようにシャーリーが前に立つ。


「お茶会も断るなんてどういうつもり!? このわたくしが誘ってあげているのにっ」

「……どういう意味でしょうか? 手紙の返信はしましたわ」

「くっ……元男爵令嬢のくせに公爵夫人ぶりやがって! 調子乗ってんじゃないわよ」


鼻息荒く暴言を吐くシャーリー。
その姿を見て、ディアンヌはため息を吐く。
ディアンヌの冷めた様子にシャーリーの怒りは増していくばかりだ。
シャーリーはただディアンヌが『ベルトルテ公爵夫人』としてここに立っていることが、余程気に入らないのだろう。

(〝ディアンヌ〟が、自分より上にいるのが許せないのね)

だからジェルマンの顔がみるみるうちに青ざめていくことも、リュドヴィックとピーターが怒りに顔を歪めていることも、周囲の貴族たちの軽蔑した眼差しも、彼女には見えていないのだろう。


「わたしとはもう友人ではないと言ったではありませんか」

「……っ!」

「これ以上は関わらないでください」