貧乏令嬢のポジティブすぎる契約結婚〜継母としてもがんばります!〜

リュドヴィックがすぐにシャーリーを咎めずに泳がせているのには理由がある。
実はパーティーの時にシャーリーに会ったらどうすればいいのか、相談していた。
もう知識の乏しい貧乏令嬢ではないのだ。
ディアンヌも以前のようにやられっぱなしではない。
ディアンヌはリュドヴィックの耳元であることを伝える。
リュドヴィックもそれについて知っていたのか、すぐに頷いて了承してくれた。

(夫人たちに教えてもらったあの場所でなら大丈夫なはず)

ディアンヌはシャーリーを連れてテラスに向かい、扉を閉める。
ピーターとリュドヴィック、ジェルマンが焦っている姿がガラス越しで見えた。
ディアンヌとシャーリーの間には冷たい風が通り抜ける。
シャーリーはここは閉鎖的な空間だと思っているが、上のガラスが開いていて、中に声が漏れてしまう。
つまりシャーリーとディアンヌの会話は外にいるリュドヴィックに筒抜けだということだ。
大人しく付いてきたということは、彼女はここのことは知らないようだ。
一部の人間しか知らないこの場所ならば、シャーリーの本性が暴けるだろう。


「貧乏令嬢のくせに、随分と調子に乗っているじゃない……!」

「何が言いたいのでしょうか?」

「アンタがベルトルテ公爵夫人なんてありえないわ。多少、見れるようになったとしてもその程度なのよ!」

「…………」