貧乏令嬢のポジティブすぎる契約結婚〜継母としてもがんばります!〜

「ピーター、リュドヴィック様……!」


ディアンヌは間に挟まれながら戸惑っていたが、執事がニコニコしながら二人を引き剥がす。
「パーティーに遅れてしまいますよ」
優しい声色で言うとリュドヴィックは咳払いをしてから、ディアンヌをエスコートする。
ピーターもリュドヴィックを真似してか、澄まし顔で歩いていく。
三人で馬車に乗り込んで、パーティー会場へと向かった。

馬車の中では、ピーターがディアンヌにぴったりとくっついている。
そしてリュドヴィックに向けて、先ほどの仕返しとばかりにニヤリと口角を上げているではないか。
そんな姿も大変可愛らしい。
横には天使のようなピーター、前には神々しいほどに美しいリュドヴィックの姿。
ディアンヌは瞬きを繰り返して、幸せな現実を噛み締めていた。

次第に王都へと近づいてくるに連れてたくさんの馬車が並んでいる。
貴族たちが馬車から順に降りていく姿を、ピーターと一緒に興奮気味に見ていた。
しかし、一歩外に出れば『ベルトルテ公爵夫人』として振る舞わなければならない。
ディアンヌは深呼吸を繰り返しながら、緊張をほぐしていた。