貧乏令嬢のポジティブすぎる契約結婚〜継母としてもがんばります!〜

ディープブルーのベロアの生地で包まれた箱の中を開けると、ワインレッドのクッションとネックレスとイヤリングが見えた。


「このアクセサリーを受け取ってくれないかしら?」

「え……?」

「あの子が気に入って、よくつけていたものなの」


銀のチェーンに青い宝石がはめ込まれた上品なネックレスとイヤリングはアンジェリーナの遺品だと聞いて、身が引き締まる思いがした。
悲しそうに笑った夫人の手からアクセサリーを受け取った。


「ありがとうございます。大切にします」

「そう……ありがとう」


どうやら今になって結婚を反対されるのかと思っていたが、勘違いだったようだ。
ディアンヌは二人の敵意のない態度に拍子抜けしてしまう。
緊張で強張っていた体から力を抜いた。

なんだかディアンヌの見つめる視線は優しく思う。
隣にいるリュドヴィックは、まだ警戒しているのか二人を睨みつけている。
前公爵はキョロキョロと辺りを見回して何かを探しているように見えた。

(屋敷の様子を見ているわけじゃない……もしかしてピーターを探しているのかしら?)