貧乏令嬢のポジティブすぎる契約結婚〜継母としてもがんばります!〜

ガタガタと馬車が揺れていて、その音が大きく響いていた。
ディアンヌは胸を押さえながら口を開く。


「わ、わたしもリュドヴィック様のことを意識してしまって……変な態度をとってすみません!」

「……!」

「ですが、リュドヴィック様の優しくて不器用なところも、頭がよくてかっこいいところも、可愛らしい寝顔も……全部大好きですから!」

「ディアンヌ……」

「リュドヴィック様と出会えて本当によかったと思っています」


ディアンヌが笑顔でそう言うと、リュドヴィックの顔が間近に迫っていた。
その瞬間、唇に柔らかい感触がして彼のシルバーグレーの髪が離れていく。
まるでいたずらが成功した少年のように笑うリュドヴィックを見て、ディアンヌは呆然としていた。

リュドヴィックにキスされたのだと気づいた瞬間に、ディアンヌは真っ赤になった。
口をパクパク動かすディアンヌとは違い、リュドヴィックは余裕の表情だ。
前世の記憶含めて、男性経験がないディアンヌには刺激が強すぎる出来事である。