貧乏令嬢のポジティブすぎる契約結婚〜継母としてもがんばります!〜

馬車に乗っても、ディアンヌの頭には先ほどの言葉がぐるぐると回っていた。
何故かいつものように話すことができないでいると、リュドヴィックから声が掛かる。


「すまない……迷惑だっただろうか?」

「……え?」


ディアンヌはリュドヴィックを勘違いさせてしまったと気づいて、弁解するために口を開く。


「違うんです。その……」

「……?」

「な、なんでもありません!」


ディアンヌはうまく気持ちを伝えることができずに口ごもる。


「まさか何か嫌なことがあったのか?」

「そうではありません! 皆様、とてもよくしてくださって勉強になりました。それにまだまだわたしが力不足だと知ることもできましたから……」


ディアンヌは夫人たちを間近で見たことで、己の力不足をヒシヒシと感じていた。
こんなところで諦めるつもりはないと思いつつも、その差は歴然だ。
けれど時間もないため、悔しい思いばかりが募る。
ディアンヌは無意識に膝の上で手のひらをギュッと握りしめる。