リュドヴィックにそう言われたとしても、ディアンヌは今回は譲れなかった。
カトリーヌの件では、たまたまうまくいったがまた誰かを守れないのは嫌だと思った。
(何よりわたしのせいでリュドヴィック様やピーターが悪く言われるのは嫌だもの!)
ディアンヌはリュドヴィックに訴えかけるように言った。
「契約結婚ではありますが〝ベルトルテ公爵夫人〟として最低限のことはやるべきだと思うのです」
「……!」
「マリアからもこれから社交シーズンだと聞きました。それにこんなによくしていただいているのに、わたしだけリュドヴィック様に何も返せないのは嫌ですから!」
「……ディアンヌは十分にやってくれている」
「何も十分ではありません!」
掴みかかるような勢いに、リュドヴィックもスッと視線を逸らす。
そして咳払いをしつつ、あることを口にする。
「……ディアンヌ、契約結婚のことなんだが」
「はい」
「これからは契約ではなく……」
リュドヴィックが何かを言いかけて口を開いた時だった。
複数の足音とピーターの叫び声が遠くから聞こえたような気がして、ディアンヌは振り向いた。
ピーターが泣きそうになりながら、ディアンヌに突撃してくる。
カトリーヌの件では、たまたまうまくいったがまた誰かを守れないのは嫌だと思った。
(何よりわたしのせいでリュドヴィック様やピーターが悪く言われるのは嫌だもの!)
ディアンヌはリュドヴィックに訴えかけるように言った。
「契約結婚ではありますが〝ベルトルテ公爵夫人〟として最低限のことはやるべきだと思うのです」
「……!」
「マリアからもこれから社交シーズンだと聞きました。それにこんなによくしていただいているのに、わたしだけリュドヴィック様に何も返せないのは嫌ですから!」
「……ディアンヌは十分にやってくれている」
「何も十分ではありません!」
掴みかかるような勢いに、リュドヴィックもスッと視線を逸らす。
そして咳払いをしつつ、あることを口にする。
「……ディアンヌ、契約結婚のことなんだが」
「はい」
「これからは契約ではなく……」
リュドヴィックが何かを言いかけて口を開いた時だった。
複数の足音とピーターの叫び声が遠くから聞こえたような気がして、ディアンヌは振り向いた。
ピーターが泣きそうになりながら、ディアンヌに突撃してくる。



