貧乏令嬢のポジティブすぎる契約結婚〜継母としてもがんばります!〜

ガタンという一際大きな音と共に静寂が訪れる。
しかし悲鳴を聞きつけたのか、はたまた物音に反応近くに待機していたのだろうか。
急いでこちらに向かってくる大きな足音。
ディアンヌはララとしっかりと目を合わせてから頷いた。
そして、バタンと勢いよく扉が開いた。

誰が部屋に入ってきたのか、しっかりと確認してからディアンヌは床に膝をついて、その場に倒れ込む。
ララの手からナイフが落ちて、カラカラと音を立てる。
ほどなくしてディアンヌを心配する声ではなく、嬉しそうな笑い声が聞こえた。


「ウフフッ……ララ、よくやったわ!」

「……ッ!」

「これで邪魔者を排除できたわ! 最高の気分よっ」


カトリーヌはこちらに歩いてくるとディアンヌの頭を足で踏み潰す。
それは今までの怒りや苛立ちをぶつけているようにも見える。
ディアンヌは頭を踏まれて、割れそうな痛みに耐えつつも、口の中に溜め込んだ真っ赤な果汁を吐き出していく。
ララは果実の酸っぱさにやられているのか、顔をあげてもうまく喋れないらしい。
瞳からはポロポロと涙が溢れていくのが見えた。

それと同時に閉まっている扉の隙間からピーターとリュドヴィックの靴が見える。