貧乏令嬢のポジティブすぎる契約結婚〜継母としてもがんばります!〜

「ベルトルテ公爵は、あんなに雰囲気が柔らかかっただろうか」

「いいえ……前はもっと冷たくて怖い感じだったような気がするわ」

「ああ、まるで別人のようだ」


メリーティー男爵と夫人は、三人を見送りながら呟くように言った。


「……姉上、幸せそうでよかったね」

「本当によかった……素敵な家族ね。ディアンヌもベルトルテ公爵に愛されていたのね」

「さすがディアンヌだな。自慢の……っ、自慢の娘だっ!」

「父上、泣いてばかりいないで。ほら、鼻水を拭いて」

「ロアンッ、自慢の息子よ……!」

「くるしっ……母上、父上を止めてよ」


ロアンはワンワンと泣き叫ぶメリーティー男爵に抱きしめられながら、微笑む男爵夫人に助けを求める。
自らを犠牲にするようにして、婚約者を探してくるとディアンヌはパーティーに向かった。
しかし結婚して、メリーティー男爵家を救おうとするディアンヌに対して罪悪感を覚えていた。
不甲斐ない自分たちに情けない気持ちになりつつ、ディアンヌを犠牲にしてまで幸せになりたいとは思わない。
ディアンヌが帰ってきたら温かく迎えようと思っていた。
爵位よりも大切なものがあるから、と。