貧乏令嬢のポジティブすぎる契約結婚〜継母としてもがんばります!〜

リュドヴィックの育ってきた環境が、なんとなくではあるがわかるような気がした。
きっと公爵家では、転げ回って遊ぶことも許されなかったのだろう。
家族と過ごした温かい記憶もない。
だからこそピーターへの接し方もどうすればいいかわからなかったのかもしれない。

それからディアンヌはリュドヴィックと好きな食べ物やどんな風に今まで過ごしてきたのかなど、他愛のない話をしていた。
リュドヴィックは意外にも聞けばちゃんと答えてくれる。
たまにディアンヌが理解できない難しい言葉が返ってくるが、不器用なだけで誠実な人なのだとわかる。
少しではあるが彼のことを知れたような気がして嬉しかった。


「ディアンヌが育った場所は温かいな。不思議な気持ちになる」

「……リュドヴィック様」


リュドヴィックはチラリとディアンヌに視線を送る。
今まで見たことがない優しい笑みを浮かべた彼に、ディアンヌは惚けていた。
サッと視線を逸らしたディアンヌはドキドキとした胸を押さえる。
こんな気持ちになったところで、報われないのだから抑えなければと必死に言い聞かせていた。