貧乏令嬢のポジティブすぎる契約結婚〜継母としてもがんばります!〜

マリアは何故か嬉しそうにしつつも、ディアンヌの身支度を済ませてくれた。
リュドヴィックも身なりを整えるためなのか、部屋を出て行ってしまう。
ディアンヌは緊張から強張っていた体から力を抜いた。
椅子の上で放心状態になるディアンヌを見てマリアが驚いている。
ディアンヌはマリアにあったことを話していく。


「まぁ……積極的ですのね!」

「寝ぼけていたの! まさかリュドヴィック様を弟と間違えて抱きついてしまうなんて」

「ふふっ、大丈夫だと思いますよ!」


朝から色気たっぷりのリュドヴィックの姿を思い出して、ディアンヌは大きく首を横に振る。
マリアから「髪を結っているので動かないでください!」と、怒られつつもディアンヌは自分を落ち着かせていた。

(……ま、間違えただけで、わざとじゃないもの。リュドヴィック様だってわかってくださるわ!)

このドキドキは後悔なのだと言い聞かせる。
それから軽食を食べてメリーティー男爵領へと向かう馬車に乗り込んだ。
ほとんどが移動になってしまうので荷物は少ないが、公爵家の馬車は広くて快適だ。

ピーターは先に馬車に乗っていた。
ディアンヌの姿を見ると、ピーターは窓から身を乗り出して大きく手を振っている。
二人でリュドヴィックが来るのを待っていた。