貧乏令嬢のポジティブすぎる契約結婚〜継母としてもがんばります!〜

「無防備だな……」


リュドヴィックは手を引いた後に額を押さえた。
小さなため息を吐き出す。


「こんな状況で……眠れるわけないだろう」


そんな言葉が静かな声が響いていた。


* * *


ディアンヌは眩しい朝の光を感じていた。
瞬きを何度か繰り返すが、肌寒さにシーツをかけようと手を伸ばす。

(まだ眠い……もう少しだけ)

いつも誰かしらがディアンヌのベッドに潜り込んでいることを思い出して手を伸ばす。
ほんのりとした温かさを感じたため、ディアンヌは目を閉じたまま抱きしめるように腕を回す。
しかしなかなかいつものように抱き抱えることができずにグリグリと腕を押し込んでいく。

(ライでもルイでもレイでもない。いつもより大きくて固い気がするけれど、ロアンかしら……ここに来るなんて珍しいこともあるのね)

ディアンヌは彼を抱きしめつつも、ピッタリと体を寄せる。
人肌がじんわりと温かくて気持ちいい。

(あー……幸せ)

肌寒さもなくなり、もう一度眠ろうかと思った時だった。


「……ディアンヌ」