「遅くなってすまない」
「え……?」
「陛下に怒られた。結婚したばかりなのに二週間も妻を放置するなど何事かと」
「……そうなのですか?」
「それにピーターのことも……」
ディアンヌはリュドヴィックの言葉を聞いて、何も返す言葉が見つからなかった。
この二週間、今までの遅れを取り戻すように城にこもりきって仕事をしていたらしい。
よく見るとリュドヴィックの顔色は更に悪くなっており、疲れているように見えた。
気まずいのか瞼を伏せる彼にディアンヌは声を掛ける。
「わたしのことは気にしなくても大丈夫です。それよりもメリーティー男爵領のこと、本当にありがとうございました」
「……!」
「荷物と一緒に手紙が届いたんです。皆が安心して暮らせるようになったみたいで嬉しくて……」
ディアンヌの笑顔を見て、リュドヴィックはわずかに目を見開く。
「エヴァたちから手紙で様子は聞いていた。ピーターのために色々とありがとう」
どうやらリュドヴィックは城にいる間も、エヴァや執事たちからピーターやディアンヌの様子を聞いていたようだ。
もし二人がうまくいかなければ屋敷に帰ろうと思っていたらしい。
特に問題もなかったため、仕事をこなしていたが、ロウナリー国王に怒られて帰宅したのだそう。
ディアンヌやピーターのことをよく考えろと、追い出されるようにしてここにきたそうだ。



