「生きること」


すると、わたしの手のひらから光が放たれ、その光に闇の巨人がひるんだのだ。

そして、光を嫌がるように闇の巨人はもがき苦しみ、大きな断末魔を上げた。
その声は、まるで舞さんの苦しむ声のようだった。

凄い断末魔にわたしは耳を塞いだ。

クロキさんはわたしの方を見ると「ありがとうございます!」」と言い、ひるんだ闇の巨人に向かって飛び立ち、大きく鎌を振り上げた。

すると、鎌は丁度心臓部分に辺り、闇の巨人の胸元に亀裂が入ったのだ。

やったぁ!
わたしは心の中で一瞬喜びを感じたが、そのあとすぐに不安が過ぎった。

クロキさんは一度こちらを振り返り、わたしに微笑みかけると、すぐに闇の巨人の亀裂が入った胸元に向かってすばやく飛んで行った。

「クロキさん、、、!!!」

クロキさんは闇の巨人の亀裂が入った胸元の中に入り込み、姿を消した。
それと同時に亀裂が入った胸元が再生された。

しかし、闇の巨人の様子がおかしかった。
もうわたしは光を放っていないのに、もがき苦しむように暴れ出したのだ。

闇の巨人が暴れるあまりの振動に、わたしは敬ちゃんを抱き締めた。

すると、闇の巨人が再び断末魔を上げた。
凄い苦しみの叫びのようだった。

クロキさんが中で戦ってるんだ。
そう思った。

ずっと苦しむように暴れていた闇の巨人だが、急に力を失ったように足を崩し、地面に膝をついた。

わたしはその姿に驚いていると、闇の巨人の心臓部分から何かが出て来たのが見えた。
よく見ると、それは紛れもなくクロキさんの手だった。

「クロキさん!!!」

わたしがクロキさんの名前を呼ぶのと同時に、クロキさんはパチンと指を鳴らしたのだった。