そして、クロキさんはわたしを抱き締めたまま「時間はあまり残されていません。くる実さん、瞬間移動をするので、僕にしっかり掴まっててください。」と言い、わたしが「はい。」と返事をすると、クロキさんの腰に腕をまわし、しっかりと掴まった。
すると、一瞬にして場所が変わった。
見覚えのある場所だ。
そこは、わたしが初めてクロキさんに助けてもらった公園だった。
「多分、舞さんはもうすぐここに来ると思います。僕から離れないでください。」
クロキさんはそう言うと、わたしの肩を抱いた。
わたしもクロキさんの腰に腕をまわすとしがみつき、周りをキョロキョロと見回した。
「そういえば、クロダさんは無事なんですか?」
わたしはクロキさんを見上げると、そう尋ねた。
クロキさんは辺りを警戒したまま、「クロダさんの最期はとても勇敢でした。」と言った。
クロキさんの言葉に察したわたしは「え、、、」と呟き、「クロダさんまで、、、」と言い、そのあとの言葉を口に出すことが出来なかった。
「闇人間を倒すには、左手を鳴らすだけでは駄目なんです。死神自体が闇人間の中に入り、自爆するしか倒す方法がありません。」
「え!じゃあ、クロダさんも、、、?!」
わたしの察しにクロキさんは静かに頷くと、唇を噛み締めた。
クロダさん、、、そんなぁ、、、
いつも無表情で窓口に座るクロダさんのことを思い出した。
初めて笑い声も聞いたなぁ。
わたしを宥めようと優しい言葉も掛けてくれたなぁ。
わたしは涙を流さずにはいられなかった。



