「生きること」


すると、また地面が大きく揺れた。
立っていられない程の揺れで、倒れかけたわたしを敬ちゃんはしゃがんで支えてくれた。

「また舞さんかなぁ、、、?」
わたしの問い掛けに「かもしれないね」と、険しい表情で敬ちゃんは言う。

そして、揺れが収まったかと思うと、今度は遠くから何かが聞こえてきた。

「何か聞こえる、、、」
そう言って震えるわたしを敬ちゃんはギュッと抱き締めて、「本当だ、何だろう。」と言った。

耳を澄ませ、何の音なのかを探ろうとする。
すると、何の音なのかすぐに気付いた。

「また奴らか、、、!」
敬ちゃんも気付いたらしく、悔しそうな表情をする。

乱暴な声、たくさんの人の足音。
さっき住宅街で襲ってきた人たちと、同じ集団なんだとわたしたちは悟った。

「でも、バリアがあるから大丈夫だよ。きっと、この大樹が守ってくれる!」
敬ちゃんは、わたしに向かって力強く言った。

わたしは「そうだね。」と頷くと、自分の左手首につけられている時計に視線を落とした。

これを使うときが近いかもしれない。
そう思いながら、敬ちゃんと一緒に息を潜め、奴らに見つからないことを願った。