「生きること」


わたしと敬ちゃんは、風が吹く方向へと足を進めて行った。
真っ直ぐに吹いたり、時々右に向かって吹いたりした。

やはり、わたしたちはどこかに導かれていると感じた。

すると、向こう側に他の木々たちとは明らかに種類や大きさの違う立派な大樹が見えてきた。

わたしと敬ちゃんは、大樹の目の前まで辿り着くと、声を揃えて「「凄い、、、!」」と自然と言葉を溢していた。

その大樹は何百年、もしかしたら何千年もこの森を守っている主のような存在感を醸し出していたのだ。

わたしたちは大樹を見上げ、その存在感の凄さに言葉が出てこなかった。

大樹の周りをゆっくりと歩き、凄いパワーのような圧力と温かさを感じた。

わたしは立ち止まると、何となく大樹に触れてみた。
すると、その瞬間、大樹が根元から上に向かって光り出したのだ。

それはまるで、あの湖に手をかざし、湖が光り出した時のようだった。

敬ちゃんは「何なに??」と驚いていたが、わたしは意外にも冷静で居られた。

そして光り輝く大樹は、わたしたちを守るようにバリアを張ってくれたのだった。
これは、クロキさんが分けてくれた力のおかげだ。そう感じた。

「くる実ちゃん!何が起こってるの?!何をしたの?!」

敬ちゃんの驚きは収まらないようだったが、わたしは敬ちゃんに向かって「内緒っ」と言った。