森の奥まで走って進んだが、同じ景色ばかりで今どこに居て、奥の方まで逃げて来られているのか分からない。
わたしたちは一度、木の影で休憩することにした。
「ここも、もう終わりだなぁ。」
息を切らせながら、敬ちゃんが言った。
「現実世界より居心地よかったから、ここに居続けてたけど、これじゃあ現実世界の方が安全かもしれない。」
「そうだね、、、」
「でも、俺はくる実ちゃんを置いて戻ったりしないから!舞ちゃんのことが解決して、戻れるようになったら、一緒に帰ろう?」
敬ちゃんの言葉に何と返したら良いのか分からず、「うん、、、」と俯くわたし。
わたしの頭の中には、クロキさんとの約束が浮かんでいたのだ。
敬ちゃんはわたしの顔を覗き込むと、「くる実ちゃんは、クロキさんのことが好き?」と言った。
わたしは「えっ!」と驚き、大きな声を出してしまったことにハッとして、両手で口を塞いだ。
敬ちゃんは切なそうな表情を浮かべると「やっぱりそうだよね。」と言った。
「くる実ちゃんの気持ちには、気付いてたよ。だから、何度も自分の気持ちを切り替えようとした。でも、それってなかなか難しくてさ。」
敬ちゃんはそう言って、笑って見せた。
そして、「俺、くる実ちゃんのことが好きなんだ。」と言って、優しく微笑んで見せたのだった。



