クロダさんの話を聞いていると、わたしは涙が溢れてきた。
次々と溢れ出してくる涙を止めようとしても、溢れてくるばかりで視界が滲んで見える。
「わたしのせいなんだ、、、わたしが居るから、、、」
泣きながらわたしがそう言うと、後ろから敬ちゃんが「くる実ちゃんのせいじゃないよ。」と言い、背中を擦ってくれた。
「くる実」
クロダさんがわたしを呼ぶ。
わたしはクロダさんの方を見たが、涙で滲んでクロダさんがぼんやりと見えていた。
「あんた、クロキと約束したんだろ?何を約束したのか、ワシには分からんが、クロキを信じなさい。さっきも言ったじゃないか。」
クロダさんはそう言うと、わたしをそっと抱き締めてくれた。
「大丈夫、大丈夫。クロキは強いから。なんたって、クロキはわたしのたった一人の弟子だからね。」
そう言って、クロダさんはわたしの背中を擦ってくれた。
わたしは涙声で「はい。」と返事をした。
クロダさんはわたしから離れると、わたしの左手に目をやり、手に取った。
そして、クロキさんから預かった時計を懐かしそうに見つめた。
「クロキがつけたんだね。」
「はい、ピンチになったらボタンを押してと言われました。」
わたしが涙を拭いながら言うと、クロダさんは優しい表情で「そうかい。」と言い、続けて「まだ大事に持っていてくれたんだね。」と時計を優しく撫でた。
「クロダさんから受け継いだ、大切なものだと言っていました。」
わたしがそう言うと、クロダさんは「そうかい。」と言って、嬉しそうに微笑んだのだった。



