「生きること」


すると、アパートの階段の方から勢い良く下りてくる足音が聞こえてきた。
階段の方を見ると、下りてきたのは驚いた表情をした敬ちゃんだった。

「くる実ちゃん!」

敬ちゃんはわたしを見ると、窓口まで駆け寄ってきた。

「無事で良かった!」
敬ちゃんはわたしにそう言ったあとで、クロダさんの方を向いた。

「クロダのばあちゃん!今の地震なに?!何が起こってるの?!」
「んー、、、あの舞って子が暴れてるんだろうねぇ。」

クロダさんはさっきの笑い顔から、一気に険しい表情に戻ると「多分、大きな闇になってるんだね。」と言った。

「大きな闇?舞ちゃんが?どうゆうこと?!」
敬ちゃんが眉間にシワを寄せながらそう聞くと、クロダさんは「嫉妬さ。」と言った。

「あの舞って子は、クロキのことを好いていただろ?でも、振り向いてくれないことに気持ちが好意から憎しみに変わり、そしてあんた、くる実への嫉妬が募りに募って闇に変わったのさ。」

クロダさんの言葉に胸が締め付けられた。
わたしのせいなんだ、、、

「クロキ、こうなった原因をあんたに言わなかっただろ?」
クロダさんはそう言った。

わたしが黙って頷くと、クロダさんは「あんたは優しいから、原因を話すと自分を責めると思ったから言わなかったんだ。だから、あんたは自分を責めちゃ駄目だよ。あんたは悪くない。舞の勝手な暴走なんだからね。」と言い、わたしの肩に手を置いた。