ベランダ越しに花束を



しかし、30分ほど経っても光琉は出て来なかった。

雨がだんだん強くなってきたので、部屋に入らずをえなかった。


こんなにも暇な1日は何ヶ月ぶりだろう、と窓に打ち付ける雨をぼんやりと眺めていると、ガチャっと玄関からドアが開いた音がした。

「ただいまー」

その正体は、今仕事に向かっているはずのお母さんだった。

時計を見ると、昼近くだった。

結構な間ぼーっとしてしまった。