ベランダ越しに花束を


その向日葵みたいな笑顔を見ていると、だんだんと怒りが引いてきた。

光琉は、私がずっと、ここ1年半くらい思っていたことを、全部口にしてくれた。

私の代わりに、日和にぶつけてくれた。

私が言えなかったこと、全部言ってくれた。

そう思うと、だんだん嬉しさが増してくる。

「ありがとう」

私は微笑んで言った。

「ごめん、勝手にスマホ取って。舞花のことを思ったら、つい…」

光琉は申し訳なさそうに笑い、私にスマホを渡した。

「全然。寧ろ嬉しかった」

「ほんと?なら良かった」