ベランダ越しに花束を


「ごめん光琉、すぐベランダに戻れなくて」

光琉にだけは、心配をかけたくなかったから。

でも光琉は、今にも泣きだしそうな顔をしていた。

私は「何?」と笑って尋ねる。

「我慢しなくてもいいんだよ」

光琉は眉の端を下げて、優しく笑った。

その笑顔を見ると、胸が張り裂けそうになった。

私は光琉を見つめたまま、固まった。

その光琉の目には全てが見透かされているような気がした。

すると、急に光琉の手が私の方に伸びてきて、
私の背中に手が回った。

私は目をぱちくりさせる。

「光琉、?どうしたの」