彼はそう言い、手すりにもたれて夜の街に目を向けた。
私も街に目をやる。
この街のどこかに、アイツらは悠然と生きている。
友達と、恋人と、遊んでいるのだろうか。
流行りのものや欲しいものを買ってもらっているのだろうか。
そんなことを考えると、今にでも叫びたい気持ちになった。
でも、グッと我慢する。
「寒ぅ」
光琉は体を震わせながら言った。
確かに、パジャマ1枚じゃ寒いな。
「じゃあ中入れば」
全く、どうしてこんなぶっきらぼう言い方しかできないのだろう。と思っていると、光琉は街を見下ろしながら、優しく言った。
