ベランダ越しに花束を


ドク、ドク、と心臓の音が耳のすぐそばでしているように聞こえる。

そして、電話が終わった。と思ったのもつかの間、またスマホが鳴り出した。


なんで、なんでまた昔みたいなことしてくるの?


やめてよ、私の事なんて、もう忘れてよ……


私は、また前みたいに、手で耳を塞ぎ、うずくまった。

そして、はっとした。

1年以上経っても、私は惨めなままなんだ、と。

自分は変わった、そう思っていたが、とんでもない勘違いをしていた。

光琉がいたから、その気になってしまっていたのだ。

ふつふつと怒りが込み上げてくる。