ピーッピーッ…
どれだけこの音を待っただろう。
鳴った瞬間、洗濯機のもとへ駆けて、ベランダに出る。
窓を開けると、今にも優しさで溢れ出しそうな笑顔で光琉が振り向いた。
彼のおかげで、モノクロの毎日だった私の日々は、色鮮やかな日々に変化していった。
その一方で、家事や勉強などに手につけられずにいた。
つい最近、お母さんに少し怒られてしまった。
皿を洗ってだとか、勉強ちゃんとしなさいだとか、色々。
でも、私は右耳から左耳へと言葉を流すだけ。
頭の中では、なぜか光琉の、あの優しい笑顔が浮かんでいて、勉強など出来なかったのだ。
