ベランダ越しに花束を

「ん、なんか言った?」

光琉はこちらを見る。

前髪にかかる長いさらさらの髪の間から、きらりと輝く彼の瞳が覗く。

なぜか痛いくらいに、心臓が鳴った。

「ううん、何でもない」

私は光琉とは反対方向を向いた。
すると、光琉が呟くように言った。

「舞花」

「なに」

私は光琉の顔を見れないまま言う。

「まだ、死にたいって思ってるか?」

唐突にそう尋ねれ、思わず光琉を見た。

私は口をあんぐりとして、動かなくなった。
光琉は続ける。