ベランダ越しに花束を

私は鼻をつんっとたてる。

そして、2人で笑い合う。

その笑い声で反応したのか、2羽の鳥が空へ飛び立った。

2羽の鳥は仲良さげに、空高くへ舞い上がる。

私はその様子を目で追っていた。

目で横を見ると、光琉もその様子を見ていた。

何故だろうか。
光琉の隣だと、いつも落ち着いて、いじめのこともお母さんのことも、全部忘れさせてくれる。

「ありがと」

私は呟くように言った。