ベランダ越しに花束を

そして、ブーンっと、今度はバイクが通って行く音が聞こえた。

またもや光琉に助けられてしまった。

今度こそ、本当にハグしてしまった。

目立たないようにしないと、と思ったばかりなのに。

私は、ゆっくりと光琉から離れた。

「ご、ごめんっ」

今は絶対に顔が真っ赤なので、目を合わせて言えるわけがなかった。

「俺も、ごめん」

光琉もなのか、そっぽを向いて謝る。

「行こ」

私はさっさと歩き出してしまった。

でも光琉はすぐに私に追いつき、今度は道路側にさりげなく立ってくれた。

その優しさに、何故か心臓が縮むように痛くなった。